彼は高嶺のヤンキー様(番外編)



「皇助−!!静かに歩け!!家が壊れる!!」

「うるさいぞ、馬鹿者!!『回収』は静かにしろ!!」

「よくモニカがオメーに、チューしてくれたなぁ〜!?どう思う、瑞希?」

「どうせ、自分から頬を押し付けていったに決まってるだろう!?後で、モニカの様子を見に行ってやんねぇと・・・」

「わはははは!!いってくるぜ−−−!!!」



(・・・そ−ゆ−こと・・・?)



聞こえてきた会話で理解する。

つまり皇助は、みんなからあたしの行動を聞いて、わざわざあたしからの『ほっぺにチューを回収に来た』わけなのね?



皇助。

バカなの、あんた?



(あたし、あんたが大スキな本物の女じゃないのに・・・)





−お前は『女』だ、モニカ−





さっきのみーちゃんの言葉がよみがえる。


『女であることを、否定することは許さない』・・・ともでも言ってるかのように聞こえる言い方。

あたしには、そう聞こえてしまった。



(ホント、イイ男トモダチばっかり・・・)



だからあんたも大スキなのよ、皇助?



「とっくにイイ夢見てるわよ、ばーか。」





つぶやいて、笑って、スマホを手にしてタッチする。

部屋のすべての電気を操れるリモコンのボタンを押す。

灯りを消して、ベッドにもぐり込む。



< 52 / 54 >

この作品をシェア

pagetop