彼は高嶺のヤンキー様(番外編)
「皇助−!!静かに歩け!!家が壊れる!!」
「うるさいぞ、馬鹿者!!『回収』は静かにしろ!!」
「よくモニカがオメーに、チューしてくれたなぁ〜!?どう思う、瑞希?」
「どうせ、自分から頬を押し付けていったに決まってるだろう!?後で、モニカの様子を見に行ってやんねぇと・・・」
「わはははは!!いってくるぜ−−−!!!」
(・・・そ−ゆ−こと・・・?)
聞こえてきた会話で理解する。
つまり皇助は、みんなからあたしの行動を聞いて、わざわざあたしからの『ほっぺにチューを回収に来た』わけなのね?
皇助。
バカなの、あんた?
(あたし、あんたが大スキな本物の女じゃないのに・・・)
−お前は『女』だ、モニカ−
さっきのみーちゃんの言葉がよみがえる。
『女であることを、否定することは許さない』・・・ともでも言ってるかのように聞こえる言い方。
あたしには、そう聞こえてしまった。
(ホント、イイ男トモダチばっかり・・・)
だからあんたも大スキなのよ、皇助?
「とっくにイイ夢見てるわよ、ばーか。」
つぶやいて、笑って、スマホを手にしてタッチする。
部屋のすべての電気を操れるリモコンのボタンを押す。
灯りを消して、ベッドにもぐり込む。