【短編】転校生
かっこいい-学-
親の都合で神戸から転校してきた。
関西を離れんのは生まれて初めて。
夏休み入ってすぐこっちに来たからめっちゃ暇やった夏休み。
俺って結構行動派やねんやんか。
だから家でボーっととか無理やねん。
だからめっちゃ近所ウロウロしてた。
転校する予定の学校のグランドとか見に行ったり。
そこで見てん。
めっちゃ元気な女の子。
声でかいし。
「慎吾ー!!真面目に走ってんのぉ?!」
「バーカ!全力疾走だっつの!」
「マジで?!遅すぎー」
ケラケラ笑う子。
黒い髪で。背が高くて。
色が黒くて。
化粧っ気ないし。
ナチュラル。うん。ピッタリ。
俺が真希をはじめて見たときの感想。
一目ぼれって言うんかな?
その真希から目が離されへんかってん。
んで同じクラスやってわかってめっちゃうれしくて。
真希が体育委員立候補したとき、絶対チャンスと思って俺も立候補した。
早くクラスに馴染みたいしとか理由つけて。
夏休みに見た真希と一緒に居た慎吾ともすごい仲良くなって。
真希ともすぐ仲良くなれた。
一緒におったらめっちゃ楽しくて。
あぁ、俺この子好きって実感してん。
真希も楽しそうやったから。
よく目が合うし。
よく話しかけてくれるし。
だから俺めっちゃうぬぼれた。