【短編】転校生
「うるせーよ。」
「ホント何とかしてくれる?来週の体育祭、盛り上がんないんだけど。」
腕を組んで真里菜が言う。
そんなこと言われたって。俺振られてるし。
「俺かって何とかしたいわ」
「馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけど。ココまでお馬鹿さんだったとわね」
って言い過ぎやろ。
「うるさいっちゅうねん。慎吾に言われたないわ」
「ったく、じゃ、真里菜、先帰ろ。コイツには付き合ってらんねー。」
やれやれって手を上げて帰ろうとする慎吾。
真里菜も「じゃーねー」なんて俺に手を振る。
「おい!コラ!まだ片付け終わってへんやんけ!」
そういう俺に
「あとは体育委員の仕事でしょ!」
って真里菜が言って走っていってしまった。
・・・・・・今真希と二人とか俺・・・・無理やろ?
グランドにぽつんと一人残され・・・・
大きなため息が出た。
その後、何分待っても帰ってこない真希。
どんどん暗くなるし・・・
体育倉庫で大玉とかに襲われてんちゃうか?ってそんなわけないか。
って俺自分でノリ突っ込み。だっさ。
それにしても遅すぎるやろ。
そう思って、倉庫へ向かう。
この学校って結構歴史が古くて。
体育倉庫が木造ってかなりキモいんよな。
校舎の裏側にある倉庫。
あれ?ドア開いてる。