【短編】転校生
「真希?」
ドアを少し開けて呼んでみると。
「え?!あ、ごめんっ。待ってた?」
暗い倉庫の中から真希の声が聞こえた。
「どうしたん?慎吾と真里菜先帰ったで?俺らもはよ帰ろ?」
そういいながら倉庫に入ろうとすると
「わ、わかった!教室で待ってて!すぐ行く!」
焦った真希の声。
ん?なんか気になるやん。
「真希?」
倉庫の中をキョロキョロ見渡すと奥の隙間に隠れる真希。
「なにしてん?」
「いいから!先行っててって!」
あかん。めっちゃ気になるやん。
そう思って真希に近寄ると・・・
真希の目は真っ赤だった。
「真希・・・?」
涙目の真希と目が合う。
潤んだ目。赤い顔。
やばい・・・可愛い・・・・
じゃなくてっ!なんで真希泣いてんの?!
「え?!真希?なんかあったん?」
俺は周りを見渡す。
倉庫の中にはいっぱい物が溢れてて・・
なんか落ちてきたり?
怪我したんか?