【短編】転校生
「真希ちゃん、大変だね。」
「もう!最っ悪!!」
「そんな怒んないよー。」
理紗ともう一人クラスで仲がいい真里菜が私をなだめる。
休み時間のたびに見物客から逃げるようにトイレに向かう。
「トイレにばっかりいてもしょうがないじゃん。教室戻ろうよ。」
「やだ。」
真里菜は呆れ顔。
あきれてるのはこっちだっつの!
「もうやだー。学校来たくない・・・」
泣き真似をする私に
「なんか真希ちゃんらしくない。」
なんて理沙のきつーい一言。
「・・・・・・そうだよ。逃げてるとかイヤだけど!あんなに見られてるのももっといや!!」
「いいじゃん。周りの目線きにするなんて真希らしくないよ。」
「・・・・・・・」
そうだけど・・・・そうなんだけど・・・・
「ね、もしかして、真希ちゃんって学くんのこと好きなの?」
「・・・・・・・」
可愛く首をかしげて理紗が言う。
無言を肯定だと思った真里菜が妙に納得しながら
「そっか。そうだったのか。」
そう。だから余計腹が立つ。
だって、友達で仲良く居れるだけで楽しかったのに!
それをあんなに軽く告白されちゃって。
あんな言い方されたらどうしていいかわかんない。
もうこの先だってどうしていいかわかんない。