【短編】転校生
「素直になってみたら?」
「無理」
「また即答!そんなんじゃ友達にも戻れないじゃん!」
「・・・・・・」
「体育委員いっしょでしょ?来週体育祭だってあるのに!体育委員二人がこんなんじゃみんな楽しめないじゃん!」
そう。
うちのクラスは能天気なヤツが多い。
遠足とか球技大会、なんてすごい盛り上がりようだったし。
体育祭にかける意気込みなんて半端じゃない。
リレーの練習なんて夏休みから集まってしてたしね。
もちろん目指すのはクラス優勝。
その雰囲気が大好きで。
だから体育委員だって張り切って立候補したんだ。
転校してきた学はホントうちのクラスにはもってこいのヤツだった。
また楽しくなる!って嬉しかった。
なのに・・・・・
「ま!とにかく!今日は放課後リレーの練習でしょ?とりあえず、仲直りぐらいしたら?真希と学がしゃべんないとか見ててじれったいし。」
とりあえず元通り。
そんな簡単に無理だよ。
憂鬱な気分のまま時間はどんどん進み、放課後。
「真希ー。バトンって倉庫?」
慎吾が校庭から叫ぶ。
「あ!取ってくる!先白線引いてて!!」
慎吾は学級委員。
体育委員二人じゃ忙しいからイロイロ手伝ってくれてる。