午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女

* * *

「…で、なんか言い訳でもする?」

「言い訳って…!!!!こっちのセリフですよ!!付き合った時の約束、先輩が破ったから!!」



“ この関係はみんなには秘密 ”

“ バレたら即別れる ”


有馬先輩がそう言うから、私はメグや陸にも黙ってたのに。


先輩は舞ちゃん達に話してたなんて…!



「あのなぁ…別に俺が言いたくて言ったわけじゃないから」

「言い訳はいりません!!」

「へぇ…じゃあ別れる?」

「……え?」




有馬先輩が淡々とそんなことを言うもんだから、私は拍子抜け。


わ、わ、別れ…?



「そういう約束だろ?茜が別れたいなら仕方ないな」

「ちょ、ちょっと…!」



なにをひとりで勝手に言ってるんだ…!!

別れるなんて…!!



「無理だろ?」

「へ?」

「お前、俺のこと大好きだもんな。簡単に別れられるわけないよな。」



ニヤリと口角をあげ、私を見下す有馬先輩。

あぁ、出たよドSモード…!!悪魔だ…!!



「別れよっか、新堂サン」


「や、やだ!!!!!」



有馬先輩に抱きつくと、先輩は分かりきったようにニヤリと笑う。


はめられたって分かってる。でも別れるなんて簡単に口に出して欲しくない。


やっとちゃんと彼女になれたんだもん。

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