午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「おい、バカ」

「…へ?」



左を向くと呆れ顔で私を少し睨む陸。



「えっと…私?」



まさか陸が話しかけてきたわけ…



「他にバカがいるか?いねーだろ。」

「ひ、ひどいっ!!」



久しぶりに話した幼なじみに対してそれか!!



「なんで1問も分からないんだよ…」

「ご、ごめんなさい…?」



あれ、なんで私謝ってるんだ…?



「だ、だって分からないんだもん…」

「1問目は基礎中の基礎。この公式に当てはめるだけ。数学なんて公式覚えりゃ解けるんだよ」

「こ、公式…」



あれ…私いま、陸と普通に話せてる?


きょとんとして陸の顔を見ていると


「こっち見んなよ。お前が見るのはここ」



トントンと私のプリントを指さす長い指。


い、いつもの陸だ…!!



「チッ…こっち見ろっつーの」

「いてっ」



私は陸に頭を手で挟まれて強制的にプリントを見させられた。



「これ、解け」

「む、むり!」

「むりじゃない解け。30秒以内で」

「えぇ!!鬼!!」

「あと20秒」

「えええええー!!」

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