午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「あぁ、分かってる」

「普段はぼーっとしてたり、冷たかったり、意地悪だったりするけど…本当は優しいし、一緒にいるだけで笑っていられる」




今の私の主成分は有馬先輩、といっても過言ではないくらい。

それくらい有馬先輩が私の日常の大半をしめているんだ。


「…だから、ごめんなさい」

「…わかってたよ。だから…今まで通り、幼なじみでいさせてほしい」



陸はフッと微笑んだ。


「そ、それは私のセリフだよ…!!今まで全部秘密にしてて、傷ついたよね…ごめん」



パチンッ

「ばーか」

「いたっ!!」



せっかく謝ってるのに、陸から返ってきたのは強めのデコピンだった。



「俺はお前ほど弱くない。傷つくわけねえだろ」

「ひどい!せっかく私が!!」

「…とりあえず、そのさっむい溺愛具合をあの人本人にでも伝えてこいよ」

「え?」



目線を上げた陸。その先には…



「話、終わった?」

「あ、有馬先輩!?」



入口の壁によりかかる有馬先輩の姿があった。



「ほら、7時からBBQだから時間ねえよ」

「あっ!忘れてた…!!でも課題は」

「お前の彼氏は学年一位だろ」

「あ、そっか!」



やれやれ、とでも言いたげな顔をして陸は部屋に戻っていった。

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