午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「-なんで!?」


「知るか」



せっかくモルモットのふれあいコーナーにやってきたのに、私の所にはモルモットは1匹もよってこない。


原因は…



「先輩囲まれすぎです!!ずるい!!」

「俺はなんにもしてない」



ほとんどのモルモットが私の隣の有馬先輩の足元にいるから。



「先輩!1匹くらいわけてくださいよー!」

「勝手に取れよ。俺はなんもしてねえっつの」

「あ、ちょっと!モルモットを威嚇しないでください!怖がっちゃいます!」

「はいはい」



といいつつ、有馬先輩は仏頂面。

まあそんな顔もイケメンだし、モルモットもそれをわかってるのかなぁ…なんて。



私の彼氏なんだからね!!という視線を浴びせておいたら、その後私には1匹も寄り付かなかった。



「お前、生き物に嫌われるタイプなんだな」

「そんなはずは…だって先輩が引き取った3匹の猫ちゃんだって懐いてくれましたもん!」

「じゃああれだ。小動物に嫌われるタイプ」

「え、ひどい!!」



冗談に決まってるけど、先輩のセリフにはいちいち反応してしまう自分がいる。

我ながら、情けない…



「ほら、行くぞ次。赤ちゃんライオン見に行くんだろ?」

「あっ!忘れてた!!行きましょう、先輩!!」

「…茜待ちだったんだけど」



ボソボソ呟く先輩を無視し、私は先輩の腕を掴んでライオン舎までの坂を一気に駆け上がった。

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