午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「いたたた…」

「だから言ったじゃん、あんまはしゃぐなって」

「うぅ…だって花火大会なんて一年ぶりですから」



並んでいたわたあめは一旦お預けで、私は有馬先輩によって強制的にベンチに座らされた。

おまけに私の足に…有馬先輩が!!触れている!!



なんか恥ずかしいよ…!!!



「せ、先輩!大丈夫ですから!」

「…は?何言ってんだよ、こんな血出てんのに」

「いたっ」



有馬先輩がティッシュで傷口に触れた瞬間伝わる電撃。


先輩、分かっててやった!?



「ちょっと待ってろ。そのへんで絆創膏もらってくるから」

「え、ちょっと先輩!」



有馬先輩は立ち上がれない私を置いてどこかへ行ってしまった。

一瞬で人混みに飲まれちゃうもんだから、もう既にその姿は見えない。


えぇー!

< 122 / 158 >

この作品をシェア

pagetop