午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「…俺の幼なじみを2人も泣かせて、アンタいったい何したいんだよ」


「…陸っ」


古賀の背後に現れたのは、2人の幼なじみである坂下陸。

その目は俺を捉え、冷たく鋭く俺を睨む。



「…お前には言われたくねぇな」


俺は確かに何度も茜を傷つけた。だけどそれはこいつも一緒だ。

こいつに言われる筋合いはない。


「…これ以上茜を傷つけるならもう容赦はしねえぞ」

「へぇ…ただの幼なじみが偉そうに」


「あいつは、俺がもらう」

「させねえよ。茜は俺の女だ」



視線を混じえ、睨み合う。


宣戦布告なんて、いい度胸じゃん。


「行くぞ、メグ」

「…うん」


2人が校舎に戻るのを見て、俺は壁にもたれた。


「…渡さねえよ。あいつだけは」

< 128 / 158 >

この作品をシェア

pagetop