午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
* * *

「瑠衣!!!」

「あ…雄飛くん」



とある病院の待合室、ソファにはミナがぽつりとすわっていた。


『瑠衣が…歩道橋から落ちて意識不明で、病院に運ばれた』


ミナからの電話を受け、俺は汗だくでその病院の救命センターに駆け込んだ。

けど、瑠衣の姿は見えない。



「瑠衣…は?」

「いま、検査……どうしよう、雄飛くん…!!もしかしたら瑠衣、下半身が動かなくなるかもって…」


「…は?嘘だろ?」



俺の肩を揺すり、涙を流しながら言ったミナの言葉は、俺の思考を停止させるには十分だった。



下半身が動かない?それはつまり…



瑠衣はもう、サッカーができないってこと



俺たちを繋ぐ、大事なサッカーが奪われる。


何よりも、サッカーが生きがいの瑠衣から、それが奪われる。


そう考えると、一瞬で汗が冷えたような感覚に包まれた。


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