午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「雄飛くん…あなた、本当に?」
「…はい。サッカーはもう、辞めました」
「でも高校からのスカウトは…!」
「当然断りました。俺には…もうサッカーをする資格はないから」
あの日からずっと練習にも行かず、ボールにも触れず。
もう、サッカーボールなんて見たくなかった。
「…入って」
「…あぁ」
そんなある日、突然瑠衣から呼び出されて俺は病院を訪れた。
久しぶりに見た瑠衣はすっかり痩せて、笑顔は消え、その瞳には光がなかった。
「瑠衣…俺」
「ユウくん…私と、別れてください」
窓の外を降る雪を眺めながら、瑠衣は淡々とそう言った。
分かってた。当然だと思ってた。
けど、やっぱりその言葉は、俺に十分なダメージを与えた。