午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「ねえ舞ちゃん、これって何のプリントなの?」

「んー?読めばわかるよ」



読めばわかるって…文字がいっぱいあって読む気にはなれないから聞いたんですけど…?

活字のオンパレードにテンションを下げつつ、私はそろっと視線を落とした。


なになに…?

≪図書委員会 仕事マニュアル≫



「マニュ…?」


あぁ、爪に塗るあれか……ってあれはマニキュアだよ。


「仕事の手順とかいろいろ書いてある説明書みたいなものだよ。」



隣に座る有馬先輩がわたしの手から紙を取ってホチキスで止めた。



「へぇ…見るだけで読む気失せますね」

「…意味わかんない。さすが学年ビリだね」

「あぁ!!有馬先輩までビリって言った!!何回も言いますけど、ビリじゃなくて下から数えて5位ですから!!」

「大差なくない?」

「大ありです!!」



学年1位の人から見たら大して変わらないかもしれないけど、私からしたら超重要事項だ。



「あ、喉かわいてきたから飲み物買ってくるわ」

「あ!!舞香先輩ずるいっす!!俺も!!」

「え、ちょっと!!」



舞ちゃんと陽先輩、作業ほったらかして逃げたよね!?



「もう!!」

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