午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「はぁっ、はぁ……疲れたぁ…」



息切れの私はそのままドアに背を預けて座り込んでしまった。


……我ながら体力のなさにびっくりするよ。




ってこんなことしてる場合じゃないや!私は下駄箱探さなきゃいけないんだった!



「すいませーん…あの〜、誰かいますか…?」





恐る恐る本棚の隙間から顔を出すけど、そこに人の気配は全くない。




あるのはズラッと並べられた本だけ。




「おかしいな…さっきは確かに人影が…」




入ったときは気づかなかったけど、ここは図書室なんだ……本の数が中学校と全然違うなぁ。




古い本の優しい匂いで、どこか落ち着く雰囲気の部屋だった。





「あのー?」




おかしいな、電気はついてるのに人はいないの?

もう、今のご時世しっかり節電しないといけないのに…





「電気のスイッチどこかな?」





ゆっくり立ち上がった私。


でも次の瞬間、思い切り棚の角に足をぶつけた。





ゴンッ!!




「いった!!!」





私はしゃがみこんで左足の小指を上履きの上から握った。


小指だけぶつけた…!地味に痛い…!だんだん痛くなってくる…!




あぁ、どんだけついてないんだ私。





きっと今日のお目覚めテレビのお目覚め占いは最下位だよ。


うん、絶対そうだ。






< 2 / 158 >

この作品をシェア

pagetop