午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
有馬先輩はカーテンを開け、そのままゆっくりと窓も開けた。



「ここ、普段からサボリ部屋として使ってるの。快適だし、癒されるし」


「癒される?」

「こっち、来て」



有馬先輩が手招きするほうに行くと、そこにはふわふわした毛の塊が…

ん?毛?



「最近生まれた子猫3匹」

「ふぉあっ!!!」



先輩が抱きかかえたソレは、毛ではなくふさふさの子猫で。


猫好きの私は窓枠にちょこんと座る子猫を一匹抱き上げた。



「こいつら、1時限目の時と昼休みと午後4時半にここに来るんだよ。俺が餌付けしてるから」

「餌付け…ってこの子達の親は?」



きょろきょろとあたりを見回すけど、いるのは子猫3匹だけで親ネコの姿はない。



「わかんない。育児放棄かもな。用務のおじさんが俺のとこ連れてきた」

「用務のおじさんって…」



こんなにかわいいのに、育児放棄なんて…かわいそうだなあ。

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