午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「なぁ、先輩って誰だよ」



振り向いた陸から目をそらした時、ふと先輩との会話を思い出した。


『バレたら即おしまい』


「…だ、だめ!!絶対言えない!!」

「あ?俺様に隠し事する気か、茜のくせに」

「俺様?きっも!陸こそなんでそんなに偉そうなのよ!!」

「偉いんだよ!!お前よりは!」



あぁ、またやっちゃったよ…

陸と言い争っても無駄なだけなのに…



「おいバカ、分かったら戻れ、勉強しろ」

「うるさいな!!今からやろうとしてたところだよ!」



陸の指摘に子供みたいに言い返し、私は髪の毛に触れた。



ガシッ

「嘘つくと髪触る癖、いい加減どうにかしたら?」



陸に掴まれたせいで自由を失った右手をさっと後に隠した。



「先輩は先輩だよ!!同じ委員会の!!」

「名前は?」

「教えない!」


ちっと舌打ちをしてこっちを睨む陸を、私は負けじと睨み返した。


「はぁ…いいよ、別に。それくらい俺の情報網を使えば一瞬で突き止められるから」



そう言って、陸は不敵に口角を上げた。
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