午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
ピーンポーン…

「あれ?誰かきた」

「…待ってろ、行ってくる。あ、その問題解いとけ」

「えー!」



陸は立ち上がって部屋を出ていった。



…なんか、陸も大人っぽくなったなぁ。

中学生になるまでは私のほうが背も高かったのに、今ではもう見上げるレベル。

サッカーボールや図鑑ばかりだった部屋も、シンプルで整理整頓だって完璧。



「おまけに、あの整いすぎてる顔面だよ、まったく…」



幼なじみがモテると苦労すること多いんだからね?なんて。


「何1人で喋ってんのよ、バカネ」

「んえ?…っあぁ!!メグー!!」



部屋の入口で腕を組み呆れ顔で仁王立ちしていたメグは、ため息をひとつついて私の元へ来た。



「部活は!?」


「早く終わったから1回帰ってシャワー浴びてから来たの。陸とふたりきりじゃ茜のメンタルやられると思って」

「だよね!!」

「どういう意味だバカども」


低く吐き捨てるような暴言が聞こえ、私はバッと後ろを向く。



「出たな!!毒舌大魔王!!」



そしてベッドの上に立ってファイティングポーズをとった。


「アホか」

「行動が幼稚園児と同レベル」



…相変わらず冷たいなぁ、幼なじみ達よ。



「つーか人のベッドに立つなバカネ」

「へーい」



私達3人が住むのは学校の最寄り駅から2駅のところにあるマンション。

部屋も古賀家、新堂家、坂下家、と3軒並んでいて、物心ついた時からずっと一緒だったんだ。



「ほらバカ。勉強するぞ。」

「中間テストまであと1ヶ月ないんだからさっさとやるわよ。赤点なんか許さないから」

「あー!2人してまたバカ扱い!!」

「「だってバカじゃん」」



…否定はできないけど、酷いよね?

まあこの2人なら慣れてるから許せちゃう私も私だよな…

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