午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「やっと起きた」

「え…?」

「メグから色々聞いた。あいつもちょっと心配してたよ。 “ ちょっと言い方キツすぎたかも ” って」

「え…?」


メグは普段からクールで、ちょっと言い方がきつい時もある。

けど…私はそれも込みでメグのことが大好きだし、唯一無二の親友だと思ってる。



「いいか?よく聞け」

「わっ」



陸に顔を手で挟まれ、強制的に顔を上げさせられる。



「お前は様子が変だとわかりやすいんだよ。特に俺やメグは。お前はちょっとバカなくらいが丁度いいわけ」


ん?ちょっとバカにされた?


「…けど、俺はメグとは意見が正反対。傷つくくらいならやめろ。それがお前のためだ」

「なっ…」



急に真剣な顔をした陸に驚くあまり、声が出なかった。


今までこんな顔したことなかったのに…


「…余計混乱させてるけど、俺は本気。あの先輩はやめとけ」

「な、なんで…?今までは私が誰を好きになろうと何も言わなかったじゃん!」



3人の中で1番の恋多き女である私。

そもそも陸とメグは好きな人がいるという話すら聞いたことないんだけど。


中学の頃だって、彼氏はできたことなかったけど、恋はしていた。

陸もメグも黙って話を聞いてくれて…


バンッ!!

「今までとはちげぇんだよ!」

「っ!」


急に壁を叩いた陸に私は驚いて肩が跳ねた。


陸、すごい怒ってる。

いつもはあまり怒りを見せない陸が、まるで人が変わってしまったようだった。

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