午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女

「ー ね…茜!人の話聞いてんの?」

「へっ!?」


急にポンッと肩に手を置かれてハッとした。


やば…聞いてなかった



「聞いてなかったでしょ?」

「うぅ…ごめん」

「もう…あたしやっぱりスマホ取りに行ってくるって言ったの!」

「あ、うん、わかった」


メグが来た道を小走りで戻っていき、私は近くの壁に寄りかかる。



…どうすればいいんだろうな、私。



なんて物思いにふけっていると、私の目の前で誰かが立ち止まる。


ん…?


「ねぇ、この学校の子だよね?1人なら俺らと一緒に回らない?案内してほしいなぁ」


目の前に立っていたのは金髪の男2人組。



これって、ナンパ!?


ここ一応校内なのに…!


「ねぇ、いいでしょ?」

「ラッキー、めっちゃ可愛いじゃん!」


ひぃぃ、逃げられない…!

メグー!!


なんて、心の中で叫んでいると


「ちょっと、その子困ってるの見てわからないの?」


私と男の人の間に入るように誰かが立った。


誰…?



後ろ姿だから分からないけど、うちの学校の制服ではなかった。

髪の毛サラサラだ…



「ん?何?おねーさんも一緒に遊びたいの?」

「はぁ?お兄さん達耳悪いんですか?」

「つめたいなー、一緒に遊ぼうって」


私が女の子に見とれているうちに、金髪男が女の子の腕を掴んだ。


「ちょっと、触らないでよ!」

「ほら、そっちの子もいこーよ」



金髪男は今度は私の腕を掴んできて、私は怖くて目を瞑った。


もうダメ…!

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