午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
* * *

ブーッ、ブーッ…


薄暗い部屋に響く、私のスマホの音。

ほとんどが着信、たまにメッセージ。


きっと...いや、絶対にあの人から。私には分かってしまう。


先輩だけ着信音を変えてあるから。


「逃げてばっかり...私らしくないな」



前までは追いかける側だったのに、いつから私はこんなにも弱くなってしまったのだろう。


ブーッ、ブーッ...

「...あ」



“ 発信元 陸 ” と表示されるスマホの画面を見て、私は腕を伸ばした。


「もしもし、陸...?」

『茜、いまどこ』

「えっと...3階の一番奥の空き教室...」

『メグと一緒に行く。そこから動くな』


そう言われたと思ったら、ブツっと電話は切られた。

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