午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「ねえ陸...知ってるなら、おしえてほしい」



忘れられない存在なのに別れた理由、瑠衣さんが言っていた “ 嫌がらせ ” のこと、有馬先輩の “ 似てる ” っていう言葉の意味。

そして...陸が “ 有馬先輩はダメ ” って言う理由。


「...あの2人...有馬雄飛と小泉瑠衣は付き合ってた。中2の夏から中3の冬まで」

「...っ」



分かっていたけど、現実を突きつけられるのは辛いなぁ…

けど、知りたい。



「あの人の名前を聞いた時、気づいたんだ。噂で聞いた有馬雄飛の元カノだって。」



そっか...あの時陸が驚いた顔をしていたのはそのせいだったんだ。



「中3の冬...12月頃、小泉瑠衣は階段から落ちて大ケガをした。そのせいで...過度な運動はできなくなった。」

「運動...」

「有馬と小泉は2人とも強豪校から推薦の話が来るほどの有名なサッカープレイヤーだったんだ」



その話を聞いた時、いつかの有馬先輩の言葉が頭をよぎった。

“ サッカー部、ねぇ... ”


この間の、お互い自己紹介をした日だ。

私...何も知らずに先輩に思い出したくないことを思い出させてたんだ...


胸を刺すような痛みに襲われ、私は拳を握った。

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