午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女

｢ねぇ、陸...そのケガって｣

｢...嫌がらせ｣

｢...っ！｣



“ 嫌がらせに耐えられなかったの ”

確か、瑠衣さんはさっきそう言ってた。


それに、有馬先輩も関わってるの...？



｢小泉瑠衣を階段から突き落とした犯人は...当時、有馬雄飛を好きだった女｣



あまりの衝撃に言葉を失った。だって...


｢それ...先輩のせいじゃないじゃん｣

｢ずっと嫌がらせされてきて、大好きだったサッカーも奪われたら...耐えられるわけないだろ｣



陸は苦しそうな顔でそういった。

あまりの重い話に3人とも黙りこみ、静寂が私達を包んだ。



...つまり、2人ともお互いのことが好きだったのに別れたってことでしょう？

最初から...私の入る隙間なんかなかったんだ。


“ 傷つくだけだからやめとけ ” って陸やメグが言っていたのはあの二人のことを知っていたから。


...あの二人が両思いだからだったんだ。




｢そんな...｣



次々と突きつけられる現実に、私は何が何だか分からなくなっていた。