午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女

午後7時30分 有馬先輩の過去と現在

【茜side】

「ふぅ…」



冷静に、冷静に…



ガチャ

「…そこ、座れ」

「え?」



前にも1度来たことがある有馬先輩の部屋。

いつもと変わらない落ち着いたトーンで先輩は私に座るよう促した。


陽先輩の家にいた時はあんなにも感情むき出しだったのに、今はもう無表情。



「先輩?」

「いいから座れ」



何をするのかわからないけど、私はとりあえずカーペットの上に座った。


そして少し離れたところのキャスター付きの椅子に座った有馬先輩。


なにこれ…なんか私が怒られてるみたい。



「有馬先ぱ」

「どういうつもり?」



被せ気味に低い声でいい、冷たい視線を向けてくる有馬先輩。


お、お、怒ってる…!

背中の後ろに真っ黒なオーラが見えるよ…



「な、何がですか?」



だいたい分かってるけど、怖くて目すら合わせられない。


なんかわからないけど、目が合ったらもう逃げられない気がする。



「茜」

「ひゃい!!」



う、裏返ったー!!

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