午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「…違うの?」
前髪が影になり、その表情ははっきりとは見えない。
けど…
「…ちがわない、です…」
先輩が “ 彼女 ” って言ってくれたのは初めてで。
ずっとずっと自信がなかったのに、これじゃあまるで…
「彼女、だろ?」
先輩…こんなんじゃ私、バカだから自惚れちゃいますよ?
先輩も私のことが好きなんだ、って
片思いじゃなくて両思いなんだ、って
「…そもそも、好きでもないやつと付き合うわけないだろ?」
「へ?」
「…お前、自分はガンガン攻めるくせにずいぶん鈍感なんだな」
「だ、だって…」
今までの事を思い出すと、自然と目に涙が浮かんできた。
冷たくて、私の言葉をいつもスルーして。
好きって言葉も1度も聞いたこと無かった。
それなのに…今…
「…う、自惚れてもいいんですか?」
「…さあね。バカはバカなりに考えな」
「だ、だって…先輩、瑠衣さんのこと忘れられないって!」
それを口走った瞬間、ぐっと先輩の眉根がギュと寄った。
「俺がいつそんなこと言った?それ言ったのは陽だろ?…まぁ、忘れられないのは間違ってないけど」
「ほら!やっぱそうなんじゃん!」
「恋愛的な意味じゃない。あんなことあって忘れられるわけないだろ?」
ボソボソと話す有馬先輩に私は呆然とした。
そういうことだったの…?
「…じゃあ逆に聞くけど、俺が茜をフッて瑠衣と付き合ったらどう?」
「い、嫌です!!!!」
「…ふっ」
声裏返った!しかも笑われた!
「…真剣な話に戻るけど、このまま秘密でいたい?それとも…」
「せっかく両想いになれたのに秘密ですか!?」
みんなに自慢してまわりたいくらいなのに…!
あ、でも秘密にしようとするのは私に危害が加えられないようにってことだよね?
それなら…
「秘密で、いいです」
「え?」
私がそう言ったのが意外だったのか、有馬先輩は間の抜けた声を出した。
前髪が影になり、その表情ははっきりとは見えない。
けど…
「…ちがわない、です…」
先輩が “ 彼女 ” って言ってくれたのは初めてで。
ずっとずっと自信がなかったのに、これじゃあまるで…
「彼女、だろ?」
先輩…こんなんじゃ私、バカだから自惚れちゃいますよ?
先輩も私のことが好きなんだ、って
片思いじゃなくて両思いなんだ、って
「…そもそも、好きでもないやつと付き合うわけないだろ?」
「へ?」
「…お前、自分はガンガン攻めるくせにずいぶん鈍感なんだな」
「だ、だって…」
今までの事を思い出すと、自然と目に涙が浮かんできた。
冷たくて、私の言葉をいつもスルーして。
好きって言葉も1度も聞いたこと無かった。
それなのに…今…
「…う、自惚れてもいいんですか?」
「…さあね。バカはバカなりに考えな」
「だ、だって…先輩、瑠衣さんのこと忘れられないって!」
それを口走った瞬間、ぐっと先輩の眉根がギュと寄った。
「俺がいつそんなこと言った?それ言ったのは陽だろ?…まぁ、忘れられないのは間違ってないけど」
「ほら!やっぱそうなんじゃん!」
「恋愛的な意味じゃない。あんなことあって忘れられるわけないだろ?」
ボソボソと話す有馬先輩に私は呆然とした。
そういうことだったの…?
「…じゃあ逆に聞くけど、俺が茜をフッて瑠衣と付き合ったらどう?」
「い、嫌です!!!!」
「…ふっ」
声裏返った!しかも笑われた!
「…真剣な話に戻るけど、このまま秘密でいたい?それとも…」
「せっかく両想いになれたのに秘密ですか!?」
みんなに自慢してまわりたいくらいなのに…!
あ、でも秘密にしようとするのは私に危害が加えられないようにってことだよね?
それなら…
「秘密で、いいです」
「え?」
私がそう言ったのが意外だったのか、有馬先輩は間の抜けた声を出した。