午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「…正直言うと、手を繋いで登下校とかは少し憧れてます。けど…私、先輩の彼女になれるならこの際そんなのどうでもいいです!」



それに、 “ 秘密の彼女 ” って、ちょっとかっこいいし。



「…まぁ、最近は告白とかはないんだろうし…つーかあの幼なじみがいる限りは。」


「え?」



独り言のようにぼそぼそつぶやいた声は私には聞き取れなかった。


そんな私を見て、有馬先輩はあきれるようにため息をつく。



「…調子のってないで、今日はもう帰れ」

「えー!」



せっかく先輩と付き合えたのに…今日は記念日なのに…



「外見てみろよ」

「え?」



先輩の視線の先を目で追うと、窓の外はもう真っ暗。



「あーあ…仕方ないか。じゃあ今日はもう帰りますね。また明日学校で…」

「バカじゃないの?」

「え?」



か、仮にも彼女に、この人はかぶせ気味になんてことを言うんだ…!



「バカなの?」



もう一回暴言を吐き、先輩はゆっくりとソファから立ち上がった。

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