午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
* * *

「家どこ?」

「あぁ、あとちょっとです。そこの角を曲がってすぐの」



私の成績が悪いって話とか、舞ちゃんの話とか


他愛もない話ばっかりして歩いていた。



いつも通ってる道のはずなのに、好きな人と歩いてるだけでこんなにも景色が違ってくるんだな…



楽しい時間はあっという間、という言葉はどうやら本当らしい。


もうすぐお別れの時間が来る。

先輩の家の窓からはただ真っ暗なだけに見えた夜空には、きれいな星がきらりと輝いていた。



「…先輩、まだ話したりないです」

「……明日も学校で話せるだろ?」


「…っ、はい!!」



先輩がやさしい…!

いつもなら準備室でお別れ。また明日、とかバイバイ、とかそんな言葉すらなかった。


あぁ、私彼女になったんだなぁ…


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