午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
ふわっと笑う羽衣ちゃんはとても可愛くて、女の私ですらキュンとしてしまいそう。


柔軟剤なのか、いい香りもする。


彼氏の夕月くんもイケメンで、彼女想い。

もしかしたら学校1有名なラブラブカップルかもしれない。


同じ “ 幼なじみ ” という関係でも、私と陸とは全く違う。



「私はね…幼なじみじゃなければよかったかなぁって、思うんだ」


「うーん…幼なじみって、特殊だよね。私も付き合う前は距離感掴めなかったもん。」

「距離感、か…」



幼なじみの距離ってどこなんだろう。


友達以上、恋人未満。まさにそんな感じ。


恋人の距離って…どのくらい?



「あ〜、全然わかんない!」

「ふふ、難しいよねぇ」



いつも少しドジでよく夕月くんとケンカしてる羽衣ちゃんが先輩というか、もはや先生みたい。


恋人…かぁ。



「羽衣」

「あ、朝陽おかえり。バレー終わったの?」

「もう疲れた。あっちの砂浜、貝殻いっぱい落ちてるらしいぞ」

「いく!」



ちょっと強引っぽい夕月くん。

前までは王子様キャラだったのに、羽衣ちゃんと付き合ってから変わったんだよね。



「あ、やっぱり行けないや!」

「…は?」

「荷物番!たのまれてるの」



おい天然!!彼氏のお誘いをそんな理由で…!


「羽衣ちゃん行っておいで!荷物は私が見てるからさ…!!」

「いいの…?ごめん茜ちゃん!あとで朝陽がアイス奢るから!」

「俺かよ…」



2人はあーだこーだ言いながら、ちょっと痴話喧嘩になりながらも歩いていった。

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