嫌われ者の怪物と空っぽの少女
番外編:義母の日記
『 ◯月△日。晴れ。
あの子が家を出た時、少しほっとした。
きっとあの子は、これから先、幸せに暮らせることだろう。そう思った。
あの子が健やかに、そしてさなぎから抜け出し飛び立つ蝶のように、いつまでも強く、綺麗であって欲しい。
…私はきっと罰を受けるだろう。
マユの監視を怠ったとして。
でもそれでいい。私は私を貫き通せた。
このまま死ねるなら本望だ。
あの子さえ、幸せになってくれれば、私はそれでいい。
あの時、家の裏に隠れていてよかった。
帰ってきたら家の前に手紙が置いてあってびっくりしたよ。手紙の内容にも驚いた。
……私が家の前にいたらきっと、あの子は家から飛び出す勇気なんて出なかっただろう。
隠れて本当に正解だった。笑
あの手紙を読んであの子は、きっと神様の元へ行っただろう。
………あぁ、やはり来たか。街の人が。
小さな未来の蝶に、幸あれ。
。