嫌われ者の怪物と空っぽの少女
2:カミサマ
ーーーーー警察署ーーーーー
薄暗い、コンクリートの床、壁。
一人の女性警官らしき人が、口を開いた。
「マユちゃんは、義理の親にひきとってもらうわ。いいわね」
NOとは言わせない雰囲気に、マユはもう慣れ始めていた
警察署に入ってから、今までずっと質問攻めをされた
今までどこにいたのか。
両親がいなくなった理由
いつから森にいたのか
おばあさんはどんな話をしたのか
おばあさんの態度、性格
マユの知っていること全て、吐き出させられた。
「……はい」
もう、どうでもよくなっていた。
「よし。もうじきあんたの義理の親が来るから、しっかりそこに座って準備してなさいよ」
冷たい態度をとっていたその人が、部屋から出た。
「…はい」
もう喋る気力もなかった
なにもしたくなかった
なにも考えたくなかった