君を忘れるその日まで。


「…………………え?」


何かが、崩れ落ちる音がした。


笑顔で話を続ける三村の声が、まるで聴覚を失ったように耳に届かない。


優里が……いない…………?
半年以上って…………?


「だけど、祐樹だけでも無事でよかったよ。
…祐樹?どうかして……────って
おい!?祐樹!?」


気づけば俺は、三村の静止を聞かずに優里の家に向かって走り出していた。

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