君を忘れるその日まで。
その瞬間、全ての疑念が確信に変わった。
俺が思い出した記憶は、あれが全てではなかった。
あの懐かしい笑顔は、変わらずそこにあった。
いつもまっすぐに俺を見つめていたその瞳は、写真の中でさえも輝きを失っていない。
「手を……合わせてもいいですか」
自分がどんな顔をしているのかもわからないまま尋ねると、お母さんは優しい表情で頷いてくれた。
「優里……」
目を閉じれば、忘れていたあの日の記憶が蘇ってくる。
あの手紙は、優里がクリスマスに話してくれたものだったんだ。