君を忘れるその日まで。
そう言った彼女の顔は少し赤く染まっていて。
人の気持ちに割と敏感な俺は、彼女の火照りが太陽のせいではないと悟ることができた。
「なるほど。佐城さんは彼のことが好きなんだね」
「えっ!!??」
思ったままを述べると、彼女は既に赤くなっていた頬をさらに上気させて勢いよくこっちを向いた。
「おー。佐城さんのそんな顔、初めて見たよ。
新鮮でいいね」
「え、ちょっと待って……なんで?」
彼女が続けたい言葉の意味がわかって、俺は全てを聞く前に答えることにする。
「俺、人の気持ちには割と敏感な方なんだ。
ごめんね、簡単にわかっちゃって」
少しからかい口調で言うと、彼女は恨めしそうな視線をこっちに向けてから、赤い顔をうつむかせるのだった。