君を忘れるその日まで。
練習
「えー、今日から本格的に体育祭に向けて練習していこうと思う!
みんな、気合い入れていけよ!」
「「「おぉ────!!!」」」
「練習なのに気合いを入れるのか……」
クラスの熱気が夏の蒸し暑さをさらに強くしているなか、その熱気についていけずに1人苦笑していれば、誰かに後ろから肩を叩かれた。
「佐城さん」
「今さらだけど、うちのクラスは元気な人が多いよね」
隣に並びながら言う彼女に、俺は同感だと伝えるために頷いてみせる。
「練習からあの勢いで本番まで持つのかが、俺は心配だよ」
「そうだね。今のうちに少しセーブさせておいた方がいいかな」