君を忘れるその日まで。
そう言ってクラスの輪に入っていった佐城さんに、俺は静かに微笑した。
佐城さんの言葉であそこまで落ち着くなんて、彼女の存在はやっぱりクラスにとって大きい。
穏やかな気持ちで前を見ていれば、不意に誰かの視線を感じて、辺りを見回してみる。
「……?」
今、誰かに見られてたような……。
周囲をじっと見据えていると、いつの間にか戻って来ていた佐城さんが俺の眼前にひょいと現れた。
「わっ!」
「……驚かさないでよ」
少ししかめた顔で佐城さんを見下ろすと、彼女はつまらなそうな顔を見せる。