君を忘れるその日まで。
「……き、祐樹っ!」
「え……あ、ごめん。なに?」
呼ばれた声に慌てて返すと、クラスメートの男子は笑いながら俺の肩を叩いた。
「しっかりしろよー。もーバテてんのか?」
「ん、大丈夫だよ。少し考えごとをしてただけだから」
笑って見せれば、心地よい波の音が耳に届いてくる。
【祐樹、クラスのみんなで海に行くんだけどお前もこいよ!】
夏休みも終わりを迎えようとしていたころ、クラスメートから来たそんなメールで、俺は海に遊びにきていた。