君を忘れるその日まで。


「……そういえば、彼氏はどうしたの?
男子が一緒と聞けば必ずついてきそうなのに」


「……っ」


ふと、あの鋭い視線の持ち主を思い出しながら言えば、佐城さんはかあっと頬を染めた。


「今日は、補習なの。休み前のテストで赤点取ったみたいで……」


「そうなんだ。もしかしたらとは思ってたけど、本当に勉強が得意じゃなかったんだね」


「あはは、うん」


「それで?君はまだ、彼氏っていう単語に慣れないの?」


「……っ、だって、彼氏なんて今までできたことないし、どう反応したらいいのかわからなくて……」


「それは意外。実は純情キャラなの?」


「いつかの私の言葉を返さないでくれるかな。
何か不都合でも?」


「いいや?新しい君の一面を知ることができて、嬉しさでいっぱいだよ」


「白々しい嘘はやめてくれるかな。恥ずかしさで倒れそう」


「あはは」

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