君を忘れるその日まで。
「そっか、残念。せっかく仲良くなれたのに」
「すぐにお別れでごめん」
申し訳ない気持ちで謝ると、佐城さんは明るい笑顔を見せる。
「私、祐樹くんのこと結構好きだよ。
話しやすいし、一緒にいてすごく楽」
「俺も、そう思ってるよ」
「ふふっ、ありがと。
心を許せる友達がいるっていいね。
まだ少ししか一緒に過ごしてないけど、祐樹くんが私の1番の心の友だよ」
「俺も、そう思ってる」
微笑して返すと、彼女は大きく伸びをしてからその場に立ち上がった。
「ねぇ、祐樹くん。卒業しても会おうよ。
今はケータイっていう便利な通信道具がある時代なんだからさ」
「そうだね。メールはあまり得意な方じゃないけど、頑張るよ」
さっきまで俺たちを照りつけていた太陽は、
気づけば海の向こうへと沈んでいく。
コンクリートの道路に伸びた2つの影は、楽しそうに肩を揺らしていた。