君を忘れるその日まで。
「え……?」
「祐樹くん、転入してきた日に言ってたでしょ?事故で1年分くらいの記憶を失ってるって。
もしかしたら、忘れてたその記憶を思い出してるんじゃないの?」
「忘れてた、記憶……」
指を立てて推測した彼女に少し考えたあと、
俺はかけていた自分のカバンを取って中に手を入れた。
「これ……昨日学校から帰ったら、家のポストに届いてたんだ」
「手紙……?」
机の上に置いたのは、カラフルなマスキングテープで止められた淡いピンク色の封筒。
そこには、黒ペンで俺の名前と住所が書かれていた。