君を忘れるその日まで。
「………………は?」
手紙を読み終わったあとに出た言葉は、それだけだった。
「疑問点が多すぎて、ついていけない……」
2人の思い出話……?
今日から始まるよっていう報告……?
明日もお楽しみに……?
「2人の思い出話ってことは、この手紙の差出人は祐樹くんの知り合いってことなのかな……?」
俺の前で同じように疑問符を浮かべる佐城さんが、手紙を見つめながら言う。
「もしかしたら、記憶の彼女からなんじゃない?」
「さあ…どうだろうね。でもこの手紙の差出人が相当なレベルの頭を持ってるってことだけはわかったよ」
「あはは……ねぇ、明日もお楽しみにって書いてあるってことは、今日も来てるんじゃない?」
「え、」
「明らかに嫌そうな顔しないでよ。
とりあえずこの手紙から得られる情報はなさそうだし、もし今日手紙が届いてたら明日また持ってきてよ」
「わかった。手紙が届いてないことを祈りながら帰るとするよ」
「女の子からの手紙なんだから、もっと喜べばいいのに」
「こんな不可解な内容の手紙をもらっても嬉しくないよ」
「素直じゃないんだから……」
結局、俺たちは差出人のことがわからないまま学校を出て行くのだった。