君を忘れるその日まで。
「おはよー、祐樹!」
「おはよう」
「祐樹、おはよっす!」
「おはよう」
すっかり見慣れた教室に入れば、俺はいつも通りにみんなと挨拶を交わして自分の席につく。
最初は使い慣れなかった机や椅子も、今ではだいぶ俺に馴染んでいた。
「おはよ、祐樹くん」
「……おはよう、佐城さん」
カバンから机の中へ教科書を移動させていれば、口角を嫌な風に上げた彼女がこっちを振り向く。
「それで、手紙は届いてたの?」
「その顔はもう確信してるんじゃないのかな」
「じゃあやっぱり届いたんだね。
今度はどんな内容だったの?」
「どうぞ。読んでいいよ」
昨日ポストに入っていた封筒を渡すと、彼女は楽しげな表情で便箋を開いた。