君を忘れるその日まで。

｢……ふっ………｣


差出人の人となりをそのまま表したような内容に、俺はたまらず笑みをこぼした。


何回読んでも、笑わせてくれる。


｢…………｣


手紙の差出人は、変わらずわからないまま。


内容もいつも、どうでもいいことばかり。


手紙を読んでいて思い出すことも、やっぱり何も無い。


それでもいつしか、手紙が届くのを楽しみに待っている自分がいた。


他愛のない内容なのに、読むと心が暖かくなる。


最初は嫌だったはずなのにな……。


｢素直じゃないんだから｣


隣でボソッと呟いた佐城さんに気づかないまま、俺はまだ残る手紙を開くのだった。