君を忘れるその日まで。
今、俺なんて……?
気づいたら口に出てた………今の、どういう
意味?
「祐樹くん?大丈夫?」
心配そうな声の佐城さんに顔を上げると、同じタイミングで教室のドアがガラリと開いた。
「遅くなってごめん、柑菜!
顧問の野郎、俺にだけ雑用押し付けやがって…って、なんで祐樹がいるんだよ!?」
さっきまで話題の中心だった人物は一気にまくし立てると、いそいでこっちに向かってくる。
「……凪。いつも言ってるけど、ドアくらい静かに開けようよ」
さっきまで重くなりつつあった空気は、凪のおかげで元に戻っていて。
俺はなんでもないような顔をして、凪にいつもの調子で言葉を返した。