ストーリーテラー
大好きなご主人
わたしが住んでいるのは透明な壁が目の前に広がっているおうちです
この間ここにきました
わたしがお母さんのおっぱいを吸わなくなった日からお母さんには会ってません
優しいお母さんの声はもう随分と聞いてない

わたしがベチャベチャしたご飯をひとりで食べれるようになった頃にこの場所にきました
ここはすごくこわいです
わたしを大きなふたつの目でみんながじっと見てくる
どんどんと小さい人に透明な壁を叩かれてびっくりします
寝ている時もどんどん叩かれるからお昼はゆっくり眠れません

たまに大きい人に持ち上げられて透明な壁の向こうに連れていかれるのだけどいろんな人に変な持たれ方をされるからとても脇が痛いんです
尻尾を強く握り締められて思わず叫んで大きい手を噛んだ日はご飯を貰えないの
お腹空いたな

透明な壁に布が掛けられたらご飯の時間
今日は噛んでないよ、叫んでもない
優しい声が聞こえてご飯を貰えた
いつも少ないけど貰えないより全然いい
ゆっくりと噛んでちょっと茶色いお水を飲む
お水は美味しくないけど飲まないと新しいお水は貰えない

おもちゃで少し遊んだら眠くなっちゃったな...


おやすみなさい
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