溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
『ならいいわね。実はね、ちょっとほっとしてるの』

「えぇ、どうして?」

『だって、私も結婚したら自分の家庭のことで忙しくなるし、年のこともあるから早く子ども作りたいし。そうなったら椿に手が回らないでしょ。一人暮らしで心配していたのよ。真壁さんが守ってくれるなら安心だわ』

「そんな、もう子どもじゃないのよ」

『まだ子どもみたいなもんじゃない、社会人一年生は。しかも椿は気が弱いから押しに弱いしねぇ。真壁さん、将来にわたって責任を持ちますっておっしゃってるし』

 ドキンと心臓が強く打つ。

 将来にわたって――それは結婚を意味している? だったら、マリはどうなる?

 頭の中を目まぐるしく疑問が渦巻いた。

「楓さんは匠さんのこと、信頼できると思う?」

『・・会ったわけじゃないから断言はできないけど、たぶん』

 やや含みのある印象を受けたが、椿は叔母の言葉に安堵のようなものを得た。

「そっか。じゃあ、安心ね。ちょっと話が出来過ぎている気がして・・不安だったの」

『どういう意味?』

「なんというか・・こんななにもかも揃った人が、私のこと好きになってくれるのかな? とか。もしかして、愛人というか、そういう遊びでかまっているんじゃないかな、とか思ったりして」

『・・そう思うようなことがあるの?』

 問われてはっとなる。そして咄嗟に叔母を心配させていけないと思って否定してした。

「ううん、具体的なものじゃなくて」

『自分に自信を持ちないさ。持ちすぎちゃいけないけど。とにかく真壁さんにご迷惑かけないようにね。それから体に気をつけて』

「うん。ありがとう」

『じゃあ、切るわね』

「うん、おやすみなさい」

『おやすみ』

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