溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
電話の向こうで叔母は一瞬沈黙した。
「楓さん? どうかした?」
『うぅん、なんでもない。うぅん、違う。ちょっと泣けてきて……』
「楓さん・・うん、そうだよね。泣けるよね・・でも、うれしくて泣けるって、ホントに幸せだよね」
視界の端には真壁がいてこちらを見ているが、胸いっぱいの椿はそれに気づく余裕はなかった。
「ホントに、幸せ・・」
『真壁さんの奥さんに口止めされていたから言わなかったけど、知っていたのよ』
一瞬、なにを言われたのかキャッチできなかった。一拍遅れて理解して目を剥く。
「! ホントに!? いつから!」
『最初からよ。だってそうじゃない。いくらなんでも見知らぬ人に身内の学費を出してもらうなんてできるわけないもの。それにあの時は、確かに贅沢はできないけど、両親・・お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの保険金や慰謝料が下りていて、それほど困っていなかったし。だから理事長に強く言って辞退しようとしたのよ。そうしたら、理事長が連絡を取ってくださって、真壁さんに会う段取りをしてくださったの』
「どうして話してくれなかったの?」
『もちろん口止めされていたからよ。でも、お嬢さんを亡くされた話を聞いて、痛々しくて、お互いに助け合いだってことで、ウチは援助を受け入れ、先方は年一回、年初めに椿に会わせることで話がついたのよ』
はじめて聞いたことに衝撃を受け、言葉が出てこない。椿はごくりと息を飲み込み、はぁと吐き出した。
「楓さん? どうかした?」
『うぅん、なんでもない。うぅん、違う。ちょっと泣けてきて……』
「楓さん・・うん、そうだよね。泣けるよね・・でも、うれしくて泣けるって、ホントに幸せだよね」
視界の端には真壁がいてこちらを見ているが、胸いっぱいの椿はそれに気づく余裕はなかった。
「ホントに、幸せ・・」
『真壁さんの奥さんに口止めされていたから言わなかったけど、知っていたのよ』
一瞬、なにを言われたのかキャッチできなかった。一拍遅れて理解して目を剥く。
「! ホントに!? いつから!」
『最初からよ。だってそうじゃない。いくらなんでも見知らぬ人に身内の学費を出してもらうなんてできるわけないもの。それにあの時は、確かに贅沢はできないけど、両親・・お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの保険金や慰謝料が下りていて、それほど困っていなかったし。だから理事長に強く言って辞退しようとしたのよ。そうしたら、理事長が連絡を取ってくださって、真壁さんに会う段取りをしてくださったの』
「どうして話してくれなかったの?」
『もちろん口止めされていたからよ。でも、お嬢さんを亡くされた話を聞いて、痛々しくて、お互いに助け合いだってことで、ウチは援助を受け入れ、先方は年一回、年初めに椿に会わせることで話がついたのよ』
はじめて聞いたことに衝撃を受け、言葉が出てこない。椿はごくりと息を飲み込み、はぁと吐き出した。