イルミネーションに彩られて
私は何も言わなかった。

「なんか言ってよ‼先輩!スッゴイ楽しそうにしてた…あの人彼女いるんでしょ?なのに…」と蓮君は言うと私の両手を掴んだ。

そしてそのまま引っ張って人通りの少ない公園へと連れてこられた。

「ねえ!先輩俺じゃダメなの?いつになったら俺のこと見てくれるの?俺もう限界だよ!先輩はモテるし!あの人もまだ未練ありそうな感じだったし」と蓮君は言った。

そして私を抱き締めて、

「今日だって男子に口説かれてたし!」と蓮君は言った。

「…蓮君…離れて…」と私が言うと、

「嫌だ!」と言われた。

「離したくない…付き合ってよ!先輩…」

蓮君の声は少し震えていた。

「…わかったから、ほんとに離れて…ちゃんと顔見て話したい」と私は言った。

渋々離れてくれた蓮君。

けど…何処にも行かせたくないという言葉通り、手は離してくれなかった。
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