チャラ男くんは天敵です!
 ガラリと教室の戸を開けると、一番に目に入ってくるのは、一番後ろの一番右側の席。

 私にはそこが、キラキラと輝いて見える。

 ああ、本当に神様ありがとう。

 そう思いながら見ていた席の隣の席に座る。

 「お、おはよう。神宮寺くん。」

 チラリと盗み見るようにさっきの席を見る。

 「おはよう七五三掛さん。」

 私の挨拶に、相手が優しい声で返す。

 か、可愛いぃ…!

 彼こそマイプリティエンジェル!

 神宮寺 梓くん。

 私の将来の旦那さんになってもらう人なの!

 っていってもまだ私の片想いだけど……。

 でもいつかは彼の心を私が奪って見せるんだから!

 彼はね、だっさいメガネにマスクをつけてるせいで陰キャって言われてるけど、実際喋ったらすごいいい奴なの。

 皆が彼のよさに気づいてないだけ!

 でもいいの、それでいいのよ。

 だって彼は私のものにしてやるんだから!
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