チャラ男くんは天敵です!

 「おっはよーすっ!」

 うわ、またその変に元気な挨拶…。

 親友の陽菜がぐわっと私に抱きつく。

 陽菜は明るくて、梓くんとは真反対の人間。

 でも陽菜は佐々木なんかとも全然違う。

 チャラチャラなんかしてなくて、めちゃくちゃいい子なんだから。

 「あ、神宮寺もはよっす。」

 「おはよう…。」

 消え入りそうな声で梓くんが挨拶をする。

 ああ、なんて可愛いの…。

 「んー、美月何であんなのが好きなのか…。」

 うわぁぁぁぁ!

 「ばっか!バカ陽菜!」

 もう陽菜は悪気がないんだろうけど、声がでかいし小さくてもここで言うことじゃない!

 無意識のうちに心の声が漏れまくりなんだからぁ!

 「えー、名前出してないしいいじゃん。」

 「よくないわよ!もう!」

 「うんうん!怒った美月ちゃんも素敵だね!」

 「佐々木みたいなこと言わないでよー。」

 本当に陽菜ったら。

 油断なんてありゃしないわ。

 油断大敵だよぉ!

 ていうかそろそろどきなさいよ!

 あんたが横に立つと神宮寺くんが見えないでしょ!

 「ぷにぷにほっぺ膨らましちゃってー。」

 そう言って陽菜が私のほっぺを引っ張りながら、私の前の席に座る。

 そうそうあんたの席はそこでしょ!

 「ふふっ。」

 「いーひゃーいー!」

 陽菜ってば力が強すぎるんだから…。

 でもまあ、そんなバカっぽいところも全部ひっくるめて好きだから親友でいれるんだけどさー。

 バカはやっぱり治らないのかしらね。
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